虫歯予防 – 小児のブラッシング
小児のハミガキの方法として、毛先でヨコに磨く方法のスクラッビング法をお薦めします。 年齢に応じて0→8歳までは、寝かせ磨きをしてあげます。(8歳~12歳までは、お母さんが仕上げ磨きをしてあげます。) 8歳からは、徐々に自分で磨けるようにします。
朝・昼は自分で磨かせ、うがいもしっかりさせてあげてください。 寝る前は時間をかけて仕上げ磨きをしてあげます。 歯ブラシのあとに、デンタルフロスで歯のすき間の汚れを取りましょう。
虫歯予防 – 間食(おやつ)
子どものからだは目を見張るばかりに急成長していきますが、おなかはまだ小さいので、 一度にたくさんは食べられません。 ですから、大人と同じ三度の食事だけでは、おなかが減ってしいます。 そこでおやつ(間食≠甘食)が必要となるわけです。
理想的なおやつは、サンドイッチ・ホットケーキ・ふかしいもなど、あまり砂糖を使用していない、 手作りのものがよいでしょう。
砂糖、水あめが入ったあめ、ガム・チョコレートなどは、できるだけ避けましょう。 どうしても欲しがる場合は、キシリトール(虫歯になりにくい合成甘味料)などを使用したお菓子をおすすめします。
一日中だらだら食べていると、虫歯のリスクは高まります。 できるだけおやつの時間を決めましょう。 たとえば、幼児期は午前10時と午後3時、もう少し大きいお子さんは午後3時だけ、など。
こどもを虫歯にしたくない
という、お母様もしくはお父様、いらっしゃいませんか? そして、逆にこういった親御さんも・・ 治療が終了して・・・ 「結構長い間かかったー。あー、これでしばらく連れてこなくていいかな?むし歯ができたら連れてこよっと」 「予防って、お金かかるんでしょう?ハブラシがんばるから、予防は今回はいいわ・・」 「甘いモノ食べさせなきゃいいんでしょう。」 ちょっとー、待ったー!!それでは、同じことの繰り返しです。 乳歯よりもっと大事な永久歯も、むし歯になってしまいます。お口の中のむし歯になりやすい環境が変わってないのに、治療だけでは、ほぼ繰り返しむし歯になることが分かっています。 ここからが、本当のスタートです。乳歯は生え変わりますが、永久歯は二度と生えてきません。一回むし歯で削ってしまうともとには戻せないのです。 また、治療した詰め物、被せ物は一生持つわけではありません。 電化製品を買ったら、いつか壊れて買い換えなければいけないように、どこかでやりかえる可能性が高いのです。長崎大学の研究でも、もっともよく使われる銀歯でだいたい4,5年でやりかえになることが多いことが分かっています。そして繰り返し治療するたびに歯はなくなっていくのです。
修復物の平均使用年数
修復物 | 二次う蝕 | 脱落 | 歯髄炎 | 平均使用年数 |
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アマルガム充填 | 7.4年 | 8.4年 | 6.0年 | 7.4年 |
インレー | 5.8年 | 4.1年 | 5.3年 | 5.4年 |
鋳造クラウン | 8.2年 | 6.2年 | 8.9年 | 7.1年 |
ブリッジ | 10.1年 | 6.2年 | 7.5年 | 8.0年 |
ジャケット冠 | 6.4年 | 5.0年 | 4.0年 | 5.9年 |
日本人は虫歯になりやすい?
日本人みたいに、歯磨きの回数が多いのに、むし歯になりやすい国民はあまりいません。
このデータをみればおわかりだと思います。つまり、甘いものを制限したり、歯磨きをがんばるだけでは、虫歯を予防することは非常に難しいのです。 また、最近のデータで、12歳の日本人のむし歯は1.9本と下がってきていますが、年齢が上がるほど、世界と差が開いていくのが現状です。 これは、実は、歯医者さんへのかかり方が問題であることが分かっています。 予防に定期的に通っていただけると、乳歯はむし歯がいっぱいでも、永久歯はカリエスフリー (むし歯になったことが一度もない)も可能なのです。
各国の歯科定期検診と80歳での残存歯数
治療後の検診(リコール)は2-4ヶ月毎に行います。これは、リスクによって異なります。 それぞれのリスクを知ってむし歯を効果的予防できる、唾液を使ってできる簡単なむし歯のなりやすさの検査(サリバテスト)を、是非お勧めします。
PMTC(専門的な歯のクリーニング)
当院では、だいたい4歳くらいからPMTC(専門的な歯のクリーニング)を行っています。 ふだん歯ブラシで取ることができない汚れ(バイオフォルム)を除去し、濃度の高いフッ素を塗布します。 PMTCを続けて行ってる子は、していない子と比べて6年間で70%のう蝕抑制効果があります。 予防処置は、特に年齢が低い時期より始めると効果的です。 6歳臼歯が生えるまでに予防をスタートできると、そのあとスタートするのでは、むし歯のでき方に差があることが分かっています。また、予防は早くスタートするほど効果が高いのも実証されてます。
どの様にしたら、虫歯を防ぐ事が出来るのか?
クローバー歯科は以下の2つをオススメしています
その1
フッ素を定期的に塗付する。
リスク検査(むし歯のなりやすさの検査)を行う。
ガムを噛んでもらうだけの簡単なテスト
その2 定期的にPMTC(クリーニング)を行う。
定期的な検査結果を元にホームケア、プロフェショナルケアを行っていきます。
キシリトール
キシリトールは安全なの?
キシリトールは、ヒトに安全な食べ物です。 1997年4月17日、厚生省(現厚生労働省)はキシリトールを食品添加物として使用すること許可しました。実はそれ以前から、キシリトールは輸液(点滴剤)に含まれる炭水化物として10年以上使用されてきました。すなわちキシリトールは、体の中に直接入れる薬品としても、口から食べる食品添加物としても安全であることが証明されています。アメリカ合衆国の食品衛生安全局も、キシリトールを1日の摂取量に制限を与えない食品として扱っています。一日平均67gのキシリトールを2年間食べ続けた研究報告でも、ヒトに悪影響を与えていません。ましては、むし歯予防に使用するキシリトール量は1日10g程度ですから、量的にも全く問題はありません。
キシリトールは何故虫歯にならないの?
キシリトールはむし歯の原因にならないだけでなく、むし歯の発生を防ぎます。 むし歯の原因となる歯垢や酸を作らないことから、むし歯の原因にならない甘味料は数多く存在します。糖アルコールはその代表であり、基本的に全ての糖アルコールはむし歯の原因にはなりません。 しかし「むし歯の原因にならない」と「むし歯の発生を防ぐ」は、全く意味が異なります
- キシリトールは虫歯の原因にならない
- プラーク中のpHを5.7以下に下げない
- う蝕の原因となる酸の産生が無い
- 唾液の分泌を促す(生態防御能の基本) 糖アルコール類のすべてがこの性質を持っている
- キシリトールは虫歯の発生・進行を防ぐ
- ミュータンス菌の増殖を防ぎ、う蝕原生が少ない細菌叢の形成を促す
- プラークの量と付着性を減少させる
- 脱灰を防ぎ、再石灰化(成熱)を促進させる
- キシリトール以外にこれらの全ての性質を備えた甘味料は無い
キシリトールをどの様に使えばいいの?
口に入る全ての食べ物に含まれている砂糖をキシリトールに換えて、その食事を2年間続けたむし歯予防効果は、砂糖が入っている食事を食べながら、食後にキシリトールガムを噛む効果と全く同じである事が証明されて以来、食後にキシリトールガムを噛むことが推薦されてきました。ガムを噛むことだけでなく、キシリトールタブレットやアメなどで、しゃぶっても同じむし歯予防効果が期待できる事も証明されています。赤ちゃんが生まれる前、もしくは生まれてすぐに、お母さんがキシリトールガムを噛むことが、子供のむし歯を防ぐ事も証明されています。すなわち、キシリトールの使用法は、全て長期臨床結果で証明されているものばかりです